第四話 結局何が言いたいの

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一ヶ月後 「セラ様!!!!」 「あーん?」 調査を開始して一ヶ月が経過した。城内の調査を任されたセラとエマはガレア大臣とその側近、クレイル親子のみならずその他の調査に当たっていたが、埃すら出てこないような感じだった。 「大変です!!!!」 「何か分かったかぁ?」 慣れないデスクワークに苛つきながらもセラは書類とにらみ合いながらエマに応答する。 「レイル名物パンケーキが半額セールしてたのです!!!」 ガタガタンバサバサバサーッ さすがのセラもこけた。 「エマちゃん……」 ピクピクとこめかみを痙攣させながら書類の山から這い出すセラにエマは暢気に「セラ様ったら……ちゃん付けだなんて」と頬を赤らめた。 「調査はどーした、調査は……」 ハッと驚いたような顔をし、すぐにバツの悪そうな笑みを浮かべるエマにセラはため息を付く。 「分かったことと言えばガレアの側近のガキ共はあの殺し屋兄妹のラミーとレミーってコトと」 「クレイル親子に反乱の気配が無いこと、ですわねぇ」 クレイル親子は大変な愛国者であった。父親は執務に追われているが愛妻家で城内でも温厚で勤勉な大臣と評判は上々。息子も侵略者になれるような輩ではなく他国の王女と婚約までしている。叩いても叩いても金粉しか出ない、と言った親子である
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