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「ラミー!!!」
ガレアが動転したように叫ぶ。
全く動じた様子もなくラミーは手を前方に翳した。
「光よ……」
初めて聞くラミーの声は言霊をのせた魔力を発し、手のひらに蝋燭の火のような明るさを生み出す。
「(……魔法も使えるとはな)」
微々たる能力ではあるがラミーの若さでは対したものだ。才能、という奴だろう。
辺りを微かに照らされたことでヨナは周辺に気を配る余裕が出きる。
「はにやほれ!?」
ラミーの光より数倍強い光がヨナの後方から発された。セラだ。
「ヨナーっ」
「セラ……口の周りくらい拭け」ヨナは緊迫した空気を壊されたことに苛立つ。
「警備兵!!!女性を集めて警護しろ!!!!!アレイル!!!!」
敏速な対応を取るトロア。アレイルも言われるまでもなく、ブレーカーの場所へと動き出している。
「セラ、アレイルと行け」
「あいよん」
セラとヨナはドレスの裾を破りそれぞれ護身用の短剣と短銃を確認した。
クレイル親子の警護に当たるべくヨナとセラが走りだした。
その時。
ガシャーン!!!!!!
セラ達の前に二つの影が立ちはだかった。
「「!?」」
相対したその瞬間「バチン!」という音と共に薄暗い予備電源へと切り替わり辺りが赤く満遍なく照らされる。そして。
同時に影の正体も明らかになる。
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