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「坂は…、つらい…、よな……」
そう文句を言いながら俺は自転車をこいでいた。
向かうのは、コンテナの置いてある公園。…ま、公園と言うより、小さい広場みたいな感じ。
俺はそこのコンテナに登って見る夕焼けが好きで、よくそこに行っていた。
「っ、よしっ!」
坂を登りきると、左手には夕焼け、右手にはコンテナが見えた。
「……て、あれ?」
俺がコンテナの方を見ると、その上には誰かが乗っていた。
「……………ぁ」
よく目を凝らして見てみると、その『誰か』は『木ノ下』だった。
木ノ下は、コンテナに座って夕焼けを眺めていた。
俺は静かに自転車を停めると、コンテナの後ろにある木に登り、木ノ下と夕焼けが入るように、シャッターをきった。
そして、俺はコンテナに登った。
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