dolphin

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☆☆☆☆☆ 「すごかったな」 「そうだな」 ショーを見終わった後も、鈴は目を輝かせていた。 「り~んっ」 「ん?」 「コレ、な~んだ?」 そう言って俺はさっき撮った写真を鈴に見せた。 「!?おま、何撮ってんだよ!」 鈴はカメラを奪おうと手を伸ばした。 「おっと」 しかし、その前に俺はカメラをバッグにしまった。 「消せ!今すぐ消せ!」 「まぁまあ、そんなに怒るなよ。これやるから」 そう言って俺は鈴の手に小さなキーホルダーを乗せた。 「イルカ?」 鈴は手に乗せられたイルカのキーホルダーを見ながら、首を傾げた。 「あれ?いらない?すっげぇ目輝かせながらショー見てたから、『イルカ好きなのかな?』って思って買ったんだけど…。ま、いらないんなら俺が…「いる!!」 そう言って俺は言いながら鈴の手からイルカのキーホルダーを取ろうとしたが、その前に鈴がキーホルダーを自分の手の中におさめた。 「最初から素直にそう言えよ~」 そんな鈴を俺は微笑ましく思った。 「…俊」 そしたら、鈴が俺の服の裾を引っ張った。 「ん?」 俺が返事をしながら振り向くと、鈴は満面の笑みでこう言った。 「ありがと!」 「///」 不覚にも、俺は赤くなってしまった。 ていうか、今のものっすごいシャッターチャンスだったじゃん…。カメラ、バッグの中だし…。 「俊?」 真っ赤になったまま固まっている俺を見て、鈴は不思議に思ったのか、俺の顔を覗き込んでいた。 「な、何?」 急に顔を覗き込まれた俺は、焦って顔をあげた。 「どしたの?」 「なんでもないよ」 「…そっか」 俺が言うと、鈴はニカッと笑った。 「さ、他のとこも回ろうぜ」 「うん!」 そう言うと、鈴は嬉しそうに返事をした。 満面の笑みは撮れなかったけど、イルカを見る輝く瞳の君を撮れたから、ま、いっか。 END
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