『あなただけ 君しか』

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「でも指輪なんて買った事ないしサイズも分からないから、偶然街で会った彼女にお願いして買うの付き合ってもらったんだ。なのにお前ときたら……」    そう言って彼は又大きな溜め息を吐いた。   「じゃあさっきの電話は」   「もう俺が指輪を渡したと思って、彼女なりのサプライズで俺の携帯からお前におめでとうって言うつもりだったらしい」    私は更にゆっくりとパズルを組み立てる。   「だって私の知らない内に携帯番号交換してるし」   「それは俺が悪かった。ちゃんとどうなったか報告したくて俺が彼女に聞いた」   「彼女の方が美人だし女らしいし」   「お前も可愛いし女の子らしいぞ」   「嘘。だって私何にもできない」   「でもいろいろしようとしてくれてるじゃん」   「失敗ばっかだもん」   「確かに。でもその気持ちが嬉しい」    そう言って彼は私の大好きな笑顔で笑った。
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