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「私でいいの? 」
「お前がいい」
「ほんとに? 」
「ほんとに。お前は? 」
「えっ」
「お前はどうなの? 」
「私もあなたがいい。あなたじゃなきゃ駄目なの」
これが私の素直な気持ち。
こんな私でいいのなら、今まで通り彼の側にいたい。
「んじゃ、我が家へ帰りますか」
そう言って彼は私の左手をギュッと握ってくれた。
私は頷くと、それに応えるように彼の手を握り返す。
完成したパズルに描かれたのは、私を想ってくれる彼と彼を想う私の姿。
そしてそれを見守る相棒の半月。
「付き合ってくれてありがと」
私はそっと相棒にお礼を言った。
「んっ。何か言った? 」
「ううん。何にも」
そう言ってクスクス笑う私に、彼は不思議そうな顔をした。
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