『あなただけ 君しか』

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「おでこ……ごめんね」    帰り道に赤くなっている彼の額を見て私は謝った。   「ああ。これ痛かったんだぞ。そのせいで追いかけるの遅れたし」    彼はそう言って額をさする。  全力投球したから、かなり痛かっただろう。   「ごめんなさい」    もう一度額を見ようと彼を見上げると、彼の顔が目の前にあり、そして次の瞬間唇に柔らかい感触。   「これで許す」   「なっ」    いきなりのキスに私の顔は熱を帯び真っ赤になる。  それを見てクスクス笑う彼。  やっぱり彼の笑顔はいい。   「私可愛い女になる」   「今のままでいいのに」    私の突然の決意表明に、彼は少し驚いたように笑った。   「ううん。私変わりたい」   「そっか。まあ無理しない程度にな」    そう言って彼は頭を撫でててくれた。
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