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暫く走ると、再び相棒の光が夜道を照らしてくれた。
ホッとした私は相棒を確認しようと振り返る。
すると右手に公園がある事に気が付いた。
その公園は砂場とすべり台、そしてブランコしかない小さな公園だった。
女一人で公園と言うのも何だか寂しい話だし、人気がないので危ない気もした。
しかし周りを確認したら誰もいないようだし、落ち着ける場所が欲しかった私はその公園に足を踏み入れた。
そして十何年か振りにブランコに座った。
軽く足を蹴ると小さく前後に揺れる。
キィキィと音を立てるブランコに懐かしさが込み上げる。
「やっぱり私達もう駄目なのかな」
しかし懐かしさと共に込み上げた寂しさに一人呟く。
「信じてたのに」
彼の事も親友の事もだ。
あの二人が私を裏切るなんて思ってもみなかった。
「相棒。どうすればいいのかな」
私は当たり前だが、無言の相棒を見上げ一人思い出に耽った。
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