第一章 保護者教師

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恵が剛の体についていたボディーソープの泡をシャワーで綺麗に洗い流すと、今度は剛が恵の身体を洗い始めた。 「恵、ごめんな。こんなにアザだらけにしちゃって……。俺はお前が憎くて殴ったり蹴ったりしてるわけじゃないんだ。逆にお前が可愛くてしょうがないんだ。だからお前の前じゃ素直な自分でいたいんだ。こんな父親だけど、これからも二人でやっていこうな」 剛は恵の胸を鷲掴みにするように洗いながら言った。 恵は無表情のまま黙っていた。 暴力を振るった後は手の平を返したように急にやさしくなる。 そして、その後は……。 恵の身体についた泡をシャワーで洗い流すと剛はそっと恵の唇にキスした。 初めはソフトだったが次第に剛の舌は恵の口の中に侵入し、恵の舌に絡みついてきた。 恵の表情は相変わらず無表情だった。 恵にキスしたまま、剛はアザだらけの恵の身体を愛撫し、揉みしだき、弄ぶように撫でまわした。 そして剛は恵の足を広げ、ギンギンに膨らんだペニスを恵の中に挿入した。 それでも恵は無表情のまま、何の抵抗もしなかった。 こんな事は日常茶飯事でもう慣れっこだった。 下手に抵抗すればまた殴られる。 昔はよく逆らって、何度も殺されかけたことがあった。 こんな事は恵が8歳の頃から続いていた。 それは恵の母が死んでから間もないことだった。 こんな生活がいつまで続くんだろうか……? 恵はいい加減、こんな剛との生活にウンザリしていた。 できれば、普通に生きたかったな……。 でも、それさえももうどうでもよくなった。 目の前の男は実の娘に挿入し、激しく腰を動かしている。 前から思っていたが滑稽だった。 こんな男の血が自分にも通っていると思うと吐き気がした。 もう今日で終わりにしよう……。 剛が射精した直後、恵はそう決意した。 何度心の中で実行したか分からない。 だけど、後一歩のところでブレーキをかけていた。 だけど、もう限界だった。 今夜、剛を殺そう……。 恵は剛の醜い体をバスタオルで拭きながら頑なにそう決意した。 【続く】
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