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仙田君がいなくなり、俺達はすぐにクリスマスを迎える事になった。
クリスマスとは祝いの場。
皆が楽しみにし、楽しく迎えるものだ。
だが少年院ではまるで違う。
皆が落ち込み、クリスマスがくる事を拒むほどだ。
何故なら外にいた時の事、そして彼女を思い出すからだ。
捕まっていなければ今頃彼女と…。
去年のクリスマスは楽しかったのに…。
彼女はクリスマスを誰と過ごすのだろうか…。
考えたくなくても考えてしまい、寮生の頭の中はその事でいっぱいだった。
俺も彼女のあゆみの事を思った。
今頃誰といるのだろうか?友達と?
それとも………?
たぶん俺の事は頭によぎる事もないだろう…。
考えれば考えるほどむなしくてたまらない。
俺達にはどうする事もできないのだ。
だが少年院もそこまで鬼ではない。
クリスマス会やクリスマスケーキなどいろんなもてなしをしてくれた。
嬉しい。
だがそんな事で彼女の事を忘れれる奴なんて一人もいなかった。
そして俺はもうすぐ仮退院する。
出てきた時彼女とどうすれば………?
考えても答えは見付からなかった。
そして次に正月を迎える事になる。
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