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黒田先生が怒鳴り散らした!
一体何が起こったというのだ!?
黒田先生は言った!
「石井!お前の事じゃ!!何さっきから一人で笑っとんねん!!」
石井君とはまだ下級生の少し馬鹿そうな奴だ。
石井君は「え……?あっ!あ……いや………別に何も………。」
黒田先生はさらに怒った!
「何もないわけあるかい!!何がおかしかってん!!?言うてみろ!!」
するとおとなしい石井君は意外な行動に出た!
「別に何もないですよ!!もういいです!!」
そう言って席を立ち、自分の部屋へ戻っていったのだ!
石井君の顔を見ると涙で一杯だった。
黒田先生は言った。
「おい!誰が部屋戻れって言ったんじゃ!!席に戻らんかい!!」
だが「いやです!!もうテレビなんか見ないです!!」その一点張りだった。
黒田先生も怒る!
「お前が謝ったら済む話やろが!!どうせテレビが楽しみで笑ってただけやろが!!素直にならんかい!!」
それでも「もう放っといて下さい!!」と返すだけだった。
黒田先生はたまりかねて言った。
「お前が席につくまでテレビはつけへん。お前はそこまで皆に迷惑かけても戻ってけえへんつもりか?」
しかし「もう戻らないって言ったじゃないですか!!」と意地を張り涙していた。
黒田先生は溜め息をつき「そういう事や。皆悪いけど目つぶって待っといてくれ。」
思わぬ展開。
楽しみにしていたこの時を一気に石井君は丸潰しにした。
だが仕方ない。
俺達は黙って黙想した。
黒田先生は石井君の所へ行き戻ってくるよう説得した。
だが戻ってくる様子もなく、何十分もの時間だけが過ぎていった。
シーンとした寮はいつしか寮生のイライラがつもり、貧乏揺すりの足を床に打ち付ける音が四方八方から聞こえ出してきた。
そしてその状態にしびれを切らしたリーダーの米山君が動き出した!
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