3537人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
俺は最後の仮退院の決意と感謝の言葉を考えていた。
最後の言葉も言う事は決められているのだが俺は自分なりの言葉で皆に伝えたかった。
もう今日でこの少年院をあとにする。
そして俺はついに外の世界に帰る。
まるで夢のようで信じられなかった。
俺は用意を済まし仮退院式の行われる体育館へと向かった。
そして全学園生を前にし、俺の仮退院式が始まった。
まず俺は園長先生に和泉学園生の証であるバッチを返納した。
そして旅立ちの歌を聞いた。
仮退院式は毎日行われるのでその歌も毎日聞く。
だが今日ほどその歌が心に染みた事はなかった。
そして俺に対する激励の言葉だった。
俺に対する激励の言葉は俺が指摘も励ましもたくさんした狭間君という奴だった。
「岡田君は本当に負けん気が強くて何度くじけても立ち上がる人でした。そんな岡田君は本当にかっこよかったです。これから社会に出ても頑張って下さい!今日は本当におめでとう!」
そして俺達は固く握手した。
俺は狭間君は本当によく構っていた奴で好きだった。
そして「これから紫雲寮を支えるのは狭間君だと僕は思ってるんで頑張って下さい!」と言葉を残した。
次は先生からの言葉だった。
残念ながら担任の西川先生は別れを告げるのは苦手らしくその日は不在だった。
そして変わりに渡辺先生が俺に最後の言葉を飾った。
「お前はいろいろ成長したけど何と言っても集会や。始めは顔を真っ赤にして何も言う事でけへんかったけど今は堂々と説得力のある発言ができるほどになった。それとお前はここで自分が勉強がよくできる事に気付いたと思う。それを社会に出ても生かしていきなさい。今日はおめでとう!」
そして握手をした。
渡辺先生は「よく頑張った!これからは自信を持って堂々と生きていけ!」と力強く言ってくれた。
そして最後に俺の言葉だ!
最初のコメントを投稿しよう!