さらば!紫雲寮生。そして新たな旅立ちへ…。

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目の前には和泉学園生の他に俺の両親もいた。 俺は自分の声で言いたくてマイクを使わなかった。 そして和泉学園生全員がはっきり聞こえるぐらい大きな声で言った。 「僕の仮退院にあたっての決意はもうどんな事からも逃げ出さず、ここで学んだ事を生かし、自分の信じた道に向かって突き進んでいく事です!今までいろいろ反発してしまう事もあったけど僕は担任が本当に西川先生で良かったと思います!今は不在ですが西川先生にもう親を悲しませず、再犯しない事を誓います!そして僕はコーラス大会でたくさんの事を学びました!滝下先生、薮内先生、そして黒田先生!僕はあの感動を一生忘れません!そしてこんな僕を支え続けてくれた紫雲寮生!僕はこれからどんな事にも負けないので皆もどんな事からも逃げ出さず頑張って下さい!そして今在園中の和泉学園生の皆さん!この少年院生活は長くて辛いかも知れませんが一日一日を大切に悔いのないよう頑張って下さい!そうすればきっといつか少年院へ、この和泉学園へ来て良かったと思える日が来ると思います!そして最後に!ありがとうは言いません!いつかここに僕の本退院通知が送られてくる事!それが僕の感謝の気持ちです!以上です!!」 途中で泣き出しそうになり途切れそうだった。 だけど俺は必死にこらえて言い遂げた。 そして拍手に包まれて俺は体育館を後にした。 さらば!紫雲寮!俺はお前達を一生忘れない! そんな思いを胸に…。 その後両親とともに園長室に行き遵守事項という更正を誓う約束を園長先生、そして両親の前で誓った。 そして最後に園長先生に「君のような最後の言葉は本当に久しぶりに聞いた。すばらしくて私も嬉しかった。あの言葉の通り君は更正する事を願っているよ。」と言って下さった。 そしてついに両親とともに和泉学園から外に足を踏み出した。 最後に和泉学園に振り向き、心の中でありがとう!そしてさようなら。俺は立派な人間になってみせます!と誓った。 こうして俺の少年院生活は幕を閉じたのだ!
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