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それからの俺はさらに悪さが増し、人に誘われてやるだけじゃなく自分自身で罪を犯すようになっていた。
もう俺の中では少年院はただの後悔で無駄な時間でしかなかった。
しょせん不良は不良。
俺達は変われるわけがないんだ。
そう思っていた。
だが心のどこかでまだ自分の生き方に迷っていた。
だがそれとはうらはらに俺の手はどんどん汚れていった。
そんなある日俺が友達と遊んでいると妹から電話がかかってきた。
何気なく電話に出ると「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、欠、満!!」と誰か知らない男の声が聞こえた。
いや。どこかで聞いた事のある声だ…。
そしてその言葉は少年院での人員確認をする少年院生しかわからない言葉だった。
そしてそいつは言った。
「おぅ!久しぶり!俺!俺ぇ!」
まさか!?
俺は思った!
けどそんなわけない…。
だがもしかしたらと思って俺は言った。
「も…もしかして仙田か………?」
すると「そやで!久しぶりやな!岡田!まさかお前と連絡取れるとは思わんかったわぁ。」
この生意気さ。間違いなく仙田君だ!
俺は嬉しくてたまらなかった!
「仙田かぁ!!久しぶりやなぁ!めっちゃ嬉しいわぁ!お前元気しとったんかぁ!?」
何でも妹が紹介してもらった男は仙田君だったらしかった。
彼女とお腹の中の赤ちゃんは………?
俺はふと疑問に思ったがいろいろあったのだろうとあえて聞かなかった。
俺はすぐ友達と別れ家に帰り仙田君と少年院での思い出話を何時間もした。
俺は思い出せば思い出すほど涙が溢れ出てきた。
だが仙田君も俺と同じで自分の生き方に迷っているらしかった。
だから少年院での決意を俺達は二人で思い出した。
そして俺達は涙を流し誓い合った!
もう道に迷わない!
俺達は少年院で決めた生き方を歩んでいくと!
そしてその日俺は更正への新たな一歩を踏み出したのだ!
あの少年院生活が最初で最後であるために…………。
終わり。
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