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――が、
「皆に言っときたいんだけど――…」
そう言いながら私の右手を持ち上げる渚に、また視線を戻した。
右手に光る指輪を掲げながら話し始めた渚に、クラスが息を呑んだように静かになる。
隣に立つ渚を見上げると、私にクスリと妖艶に笑って見せ、次の言葉に私は絶句した。
「来週、婚約パーティーするから参加してね♪」
ワッとまた歓声とも絶叫とも取れる声があがる。
私が目を見開き口をあんぐり開けたまま固まるのを見て、可笑しそうにクスクス笑いながら右手の甲にキスをした渚。
そんな二人の周りはこれでもかってほど、煩くざわめき立っていた。
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