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残された母さんと父さんと両方のばあさん
じいさんたちがいないと結婚式が出来ない。かといって中止にするわけにもいかない。
どうすればいいか分からないまま、30分以上の時間が流れていった。
止まっていた時間が動きだしたのは静寂を破る扉の音と二人の姿が見えた時だった。
じいさんとじいさんは肩を抱き合いながら笑顔で帰ってきた。
戸惑う4人進みだした時間がまた固まる。
そんなこともお構いなしに母さん側のじいさんは母さんに近づき
こいつは良い奴だ!ならこいつの息子も良い奴に決まってる、もしも嫌になったら戻ってこい、だから一度行ってみたらどうだ?
と母さんに言った。
母さんはしょうがないなぁというような感じで結婚したらしい。
つらい時もあっただろうが母さんは自分の家に戻ることはなかった。
そして兄貴が産まれ、僕が産まれ、弟が産まれ、妹が産まれ、母さんは家族にかこまれて暮らしている。
ウチの家は母さんが収入源で家事もだいたい母さんがしている。
父さんはなにをしているかというと、まず仕事は僕が小学校3年までしていたが母さんに辞めさせられた。
収入が無いんじゃしょうがない。
今では家でパソコンを当たっています。
そうです今で言うニートです。
最後に母さん側のじいさんは僕が小学6年の時に事故で亡くなりました。
悲しかったですが、僕以上に父さん側のじいさんの方が悲しかっただろうと思います。
葬式の最中にじいさんは外に出ていき、ずっと泣いていました。
その後を追っていた僕はじいさんの泣き声を聞き何も言えずに母さん達がいる場所に帰りただ手を合わせることしか出来ませんでした。
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