産まれたての僕と産まれたてのじいさん

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1989年のクリスマスに僕は産まれる予定だった。 でも実際は29日に産まれた。 でも最初から僕が産まれるのは28日以降と分かっていた、のにクリスマスが僕が産まれる日になると言っていたのは誰か? それはウチのじいさんだ じいさんはクリスマスこそ僕の誕生日だ!と言って、実際小学4年までは誕生日を勝手にクリスマスにしていてプレゼントをくれてた。 今思えばあれはクリスマスと誕生日を一緒にして、あんまり僕に金を使わないようにした作戦だったかもしれない。 プレゼントなかったからね 誕生日に。 で、実際の産まれた日。 じいさんはウチにこもっていた。 決して病気でもケガでもない。 ただトイレで大便をしていただけだ。 家に1人残り必死に便をするじいさん。 病院でみんなに心配されて必死に僕を産もうとする母さん。 出すものは違えど頑張っているのは同じだ。 ただしじいさんは誰にも心配し見守って貰えてないだけ。 そして僕は産まれた。 じいさんも産まれた。 必死で産んだ我が子(便)をじいさんは大事にしたかったんだろう。 ばあさんや父さんが帰って来た時もじいさんは流さずに待っていて 「見ろ!わしも頑張ったぞ」とみんなに自分の便を見せてきたらしい。 そんな話しをじいさんがしてきたその日の夜、僕の夕食はカレーだった。
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