サンタへの手紙

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キュム…キュム…と雪を踏んだ時にも似ているような、それともまた違うような音が、俺が足を踏み出すと鳴る。 なんなんだ?雪?雲? 何かはわからないけれど、雪にも似ている感じで、上った事はないけれど雲の上を歩いたらこんな感じじゃないだろうかと、昔から勝手に想像していた感触にも似ている。 不思議な感触に浸っていると、またもや冷たい風が頬をなでる。 まるで、俺を何処かに連れて行きたいかのようになでていく。 とにかく暖まる所……そう思って俺は歩き出した。 キュム…キュム…と不思議な足音をさせながら歩いて行くと、少し先に小屋にも似た家が見えた。 屋敷と呼ぶにはあまりにも小さく、小屋と言うよりは少し大きな感じだ。 煉瓦(レンガ)で造られた家で、屋根に付いてある煙突からは暖かそうな煙をモクモクと吐き出している。 誰か居るかな?
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