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美月へ
なんて言えばいいのかわかんねえけど、とりあえず、元気にしてますか?
俺はこの春から、桜ヶ丘に通うことになりました。
相変わらず、由貴はウザいけど、まあ、それなりに楽しい。
あの日から、変わったことがあります。
飲み続けた牛乳がよかったのか身長が伸びました。
髪型を変えて、美月が似合うと言っていた髪にしました。もう覚えてねえかな?
滝さんの店にはたまにひとりで行きます。
駅前や本屋、商店街、どこを通っても美月を思い出して、少し、キツい。
もし、もう一度会えるなら、あの日のことを謝りたい。
なあ、美月。
いま、どこにいんの?
いま、なにしてる?
いま、誰といる?
俺のことなんて忘れた?
元の関係に戻れるなんて思ってねえけど。
ただ、またどこかで美月が一人で泣いてんじゃねえか、心配です。
美月。
あの時、確かにあなたは俺の何よりも大切で、何よりも愛おしいtresorでした。
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