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「本当に……どうしようもないバカね、あんた」
「あったぼうじゃないっすかwwwwww」
零たんは泣き笑いみたいな表情を浮かべながら、俺の顔を覗きこんでいる。
その表情はさっきより柔らかくなってる。
「そんなあんたとなら……」
ゆっくりともうめちゃめちゃにゆっくり立ち上がって、零たんはこちらに近づいてくる。
そして右手を俺の方に差し出す。
「あたしも結構……」
その時、どんな言葉を零たんは俺に言おうとしてたんだろ?
「NTフィールドがWRYYYYYYYYYされてWRYYYYYYYYYYYY!!!!!!」
長門の意味のわからん怒号と、爆弾でも派手にぶっ放されたみたいな音が零たんの言葉を遮った。
次に聞こえてきたのは、聞いたことのない明るい、イケメンボイスな声。
「正くんだっけか? マジおもれぇよ、お前!! 最高!! だけども……っ!!」
そいつは俺の頭スレスレをジャンプで通過して左肩を刃物的なもので切り付けながら、目の前の零たんの後ろに着地した。
そして零たんをお姫様だっこの要領で抱き上げる。
フードから現れたそいつの顔はイケメン過ぎて、即殺したい。適度に伸びた黒髪から覗かせるその表情はガキみたいな幼さを感じさせながらも、どこか残忍めいたものを感じさせた。
「人の嫁さんを目の前で口説くってのは、よろしくないんじゃね?」
さかさまさか……。
イケメン野郎は明らかにバカにした感じで俺にウィンクを飛ばしてきやがった。
「はじめまして。リベリオンのサジタリウスって言いまーす! ちなみに元の名前は……」
「立花希理人、零の旦那様……かつ!! お前の後ろのオッサンに殺された悲劇のヒーロー。よろしくね! っと」
なん……です……と?
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