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結局女の子グループが買った食料品も含めた全ての荷物は、乗ってきた車の運転席以外のスペースをほぼ埋め尽くしてしまった。
零たんは呆れ顔をしながら施設のエージェントの一人に電話をかけ、ここに呼び寄せて運転させるという鬼畜っぷりを発揮した。
「車なくなっちゃったから帰りは電車よ。これ以上私事にエージェントは回せられないんですって」
零たんはそう言ってため息を一つついた。全く苦労が絶えませんな。
それからはみんなでご飯に向かった。ショッピングモールにある飯屋が集まってる所でどこで食うかをみんなで吟味。すると桜ちんが俺の服の裾をチョイチョイと引っ張ってきた。
「どした?」
「推奨」
相変わらず俺の裾を掴みながら、桜ちんは立ち並ぶ飯屋の中から赤い暖簾をでかでかと掲げているラーメン屋を指差している。
「ちなみに君の言葉でラーメンを表現してくれ」
「麺汁」
ストレートwwwwwwwwwそしてささやかなエロスwwwwww
まぁ、桜ちんの要望に答えてみんなでラーメン食ったよ。味の方はそこそこ美味かったような……そうでもないような。みなみけのアニメ二期的な感じ。いや、それは言い過ぎた。
それからは辺りをみんなでウロチョロしたり、ウィンドウショッピング的な感じのものを楽しんだ。
まさか自分がこんなことみルート時の朋也的ハーレムを味わえる日がくるなんてwwwwwお母さんwwwwwwww引きこもりの息子は進化しましたよwwwwwwもうニートなんて呼ばせないwwwwww
かくして優越感に浸りまくってクリスマスイヴとやらを楽しんだ。
ショッピングモールを後にした時はもう外はすっかり夜で、雪がチラチラと降ってきていた。
「ホワイトクリスマスだねぇー。めっちゃドラマチックだぁ!」
「ルルお姉ちゃん、今日はイヴだよ?」
ルルたんとイエローハットを手を繋ぎながら楽しそうに喋ってる。
「今日は、俺の下半身もホワイトクリスマスだぜ? 雨は夜更け過ぎにwwwwwwwwwwwカルピスの原液にwwwwww」
「だったらてめぇは毎日ホワイトクリスマスだな」
ブラックのあんちゃんはハイテンソンな俺を軽くあしらってスタスタと歩いて行った。零たんと楓ちゃんは他人のふりして素知らぬ顔をしている。それについていく桜ちん。
取り残された俺、雪の降りしきる中一人疎外感を感じる、23歳のクリスマスイヴのことでした。
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