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駅に来たのなんていつ以来だったけか。
そんぐらい久々に訪れた駅にはゴミのように人がいて、おまけにカップルが多かった。
どいつもこいつも公共の場所でこれ見よがしにイチャイチャしやがって……あっ!? なんだお前らぁ!! これからあれか!? ギシギシアンアンに洒落込むんだろ!? あ? 言って見ろや? お前らのおしべとめしべがおっぺっけぺーなんだろ!?
どいつもこいつも俺はリア充ですみてぇな面しやがって……死ねッッッ!! 幸せそうなカップル全員死ねッッッ!! イチャイチャしてる時に彼氏の携帯からガッキーの着信が流れ出して気まずくなって死ねッッッ!!
俺が負のオーラ全開でいると、駅の道の真ん中でほっぺにチューしてるカップルを発見。あぁ~チューされた男の方は顔を真っ赤にしちゃって初々しいですねぇ~。てか、いつぞやのアンニュイお兄さんじゃねぇか……。
「お、おま……!? いきなりなんだよ!?」
「えへへ……こんぐらいで照れんなよwwwwww家に帰ったらもっとすごいことがあるかもっすよ?」
糞が……死ねッッッ!! 幸せそうなカップル全員死ねッッッ!! 彼女の口からほんのりイカの匂いしろッッッ!!
半おっきしながら嫉妬の視線を送っていると、突如耳を引っ張られた。
「いぢぢぢぢ!!」
「いちいち辺りを観察してんじゃないわよ。これだから独り身の童貞は……」
零たんだった。
「今日はクリスマスイヴなんだから別にいいじゃない。まぁ、あんたみたいなモテないオタクな屑男には関係ないかもだけど? 死ねばいいのに」
ちょwwwww毒舌すぎwwwwww
零たんは吐き捨てるように俺に言ってから人数分の切符を買いに行った。俺はそのアシスタント。
「ねぇ零たん? 券売機で一番端の一番高い切符が行く場所がどこか知ってる?」
「ググりなさい。てかいい加減その零たんって呼び方止めてよ」
零たんはぶつくさ文句を言いながら人数分の切符を手際よく購入すると全員に配った。
そいつを使って改札機を抜け駅のホームに出るとちょうど電車が来た所で、俺たちは白い息を吐きながらゆっくりとそれに乗り込んだ。
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