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「えっと……お名前なんて言うんですか?」
ちなみに俺と瑠璃華のファーストコンタクトはこの台詞が最初だったね。初めて部隊のメンバーとして顔あわせた日から二週間経って、本部のエレベーターでふたりきりになった時だ
まぁ、レイヴン関係ないけど聞いとけ。
あとあと重要だから
「無い。好きに呼べ」
当時FFⅦにはまっててな、ちょっと初登場のレッドⅩⅢみたいに、ぶっきらぼうに返してみたんだな。
「うーん、困りましたね。ナナシさんですか……画期的ですね?」
瑠璃華は冷たい俺の態度を全く気にせず、明るく話してかけてきてくれた。当時の瑠璃華は……それはそれは綺麗だった。もうな、やばい。もう見つめ合うだけで孤独な加速度が一瞬にして砕け散って、心が光の矢を放ってた。
今の瑠琉が大人っぽくなった感じで。腰くらいまである細くてしなやかな銀色の髪、今にも光子力ビームが飛び出そうなはちきれんばかりのバスト。抱きしめたら壊れてしまいそうな細い体。
当時は涼しい顔して、そっぽ向いてたが正直言うよ。
半おっきを禁じえなかった。
「そうだ!! タスマニアンって呼んでいいですか?」
「は?」
俺が必死で素数を数えてると、瑠璃華は顔をキラキラさせながらこんな事を言いやがった。
「なんで?」
「言葉の響きが気に入ったのと、フィーリングです! ……ダメでしょうか?」
瑠璃華はちょっとぶっ飛んでたな。意味わかんねぇよな、けどな……。
「好きにするがいい」
当時の俺はヴィンセントが好きで……こんなこと言っちゃって。それ以来タスマニアンです、本当にありがとうございます。もっとまともな名前つけて貰えば良かったな、今更だが。
それから俺と瑠璃華は急速に仲が発展していった。俺としては、片思いでも玉砕でヒウィゴー的なテンションだったんだが。向こうも結構気にかけてくれてたみたいで。
出会ってから1年後、出来ちゃいました。いや、正確に言うと仕込んじゃいました。
『ヤレば出来る』
昔の人はいい事言ってんな、これ。
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