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目が覚めると、何故か俺の額に寿司屋のメニューが突き刺さっていた。
そして横にはものすごく申し訳なさそうな顔をした零が正座しててな。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」
魅音ばりの必死さだった。
だから俺は優しく言ってやったさ。
「悪いと思ってんならおっぱい揉ませろよ」
サクッ
メニュー表が2cm程さらにめり込んだ。
「た、隊長!! いくらなんでも無神経です!! 温厚な私でもいい加減怒りますよ」
ちょ、額、額。俺の額、見てみてよ。
俺は微かに薄れゆく意識の中、必死にボディーランゲージとかいう奴でアピってみたが、零は顔を真っ赤にして
『べ、別に頭蓋骨まで貫通させて脳内に今後決して癒えることのない決定的ダメージを与えてやっても良かったんだからね!!』
みたいな感じでツンと横を向いていた。当時から零はものすごい、いや殺人的なサディストだったな。それからはこいつの扱いはなるべくソフトに執り行っている。
俺が額にメニュー表を突き刺したまま、座敷に仰向けになっていると希理人の馬鹿にするような笑いが聞こえてきた。
「ギャハハハハハハ!! 隊長!! なんすかそれ!? ちょ!! なんすか!! マジぱねぇ!? ちょっと写メっていいっすか!?」
俺を見て腹を抱えながら笑う希理人の顔の骨格は、頬の部分だけかじられたアンパンマンみたいになっていて……俺には直視できなかった。
これは……即戦力なはずだ。
俺はちょっとムスっとした顔をしていた零を見ながら、少し感心してしまった。
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