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隊長が作った一瞬の隙をついて、私たちは駆け出した。
3人もいたのに、誰一人あたし達を追って来ようとしなかったのが、なにか不気味だった。
「ああは言っていたが……大丈夫なのか?」
ブラックはしきりに後ろを見ながら、声をかけてきた。
あたしの答えは決まっている。
「大丈夫よ、あの人は絶対に死なない」
隊長はいつだって死線をくぐり抜けてきた。あの時だって、ボロボロの体であたしと瑠琉ちゃんを連れて逃げ出してくれた。そんな隊長がやられる姿なんてあたしには到底想像がつかない。
それより危険なのは……。
「私たちの方ですよね?」
あたしの考えを読み取ったかのように琉瑠ちゃんが、言葉を紡いだ。その顔には心なしか焦りの色が見えた。
隊長に、あの糞ニート……。対リベリオン戦における重要な主戦力が二人もそがれていて、リベリオンもまだ恐らく8人が残っている。それに他の戦力もきっと……。
悔しいけどあの変態二人があたし達の飛車角……。
『フヒヒヒヒwwwwwwおちんちんびろびろんwwwwwww』
『ショキッングピンクだ』
飛車……。
『おっぱいwwwwwおっぱいwwwwww』
『ナッシングパンティーだ』
……。
言葉にしなくても伝わる思いがある。
私たちはただ顔を見合わせてから、拳を強く握った。
あの変態ども無しでもやってやるわよ。
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