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長門のバーストストリーム。手加減はちょびっとしかしてない、女の子とはいえ、ヴァルゴたんはリベリオンの一員。
羽のまたたきが止み、ゆっくりと落下を始めるヴァルゴたん。
無視だ、無視。敵に情けをかける必要なんてないやん。零たん達に危機が迫ってるから早く急がねば……。
でもこの高さから地面にたたき付けられたら、いくらヴァルゴたんでも……。
「チェェェイサァアアアアアアアアア!!!!」
俺は非情に徹することはできなかった。おっさんに怒られそうだけど、敵だけど、てかそもそも照れ隠しで予想以上のパワーで攻撃したの俺だけど、もうそんなの全部無視して、俺は落下するヴァルゴたんに全速力で向かい落下していくその体を抱き抱えた。
「……なんでとど……めささないのかな、こ……れ? ほっとけ……ばそのまま地面に落ちてぺっちゃんこ♪……だったのにね」
お姫様だっこの要領でヴァルゴたんを抱き抱えていると、ヴァルゴたんはしぼりだすようにして声をあげながら不思議そうに俺を見つめている。
「可愛い女の子がぺっちゃんこになるのは、いくら敵と言えどもあんまりかなぁと正は正は、いやらしい視線を送りながら返答してみたーりwwww」
「……やっぱり理解できないな、キミのことは」
「理解できたら大変なことになりますよwwwww」
「もっと違う形で出会いたかったな、正くん。ねぇ……正くん?」
今にも消えてしまいそうな声で喋り続けるヴァルゴたん。その顔はどこか悲しそうで。
「どうなされました?」
「逃げ……て、今回はダメ……本当にキミたち殺されちゃう。あいつがいるから」
「あいつ?」
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