鳩山があかね色に染まる坂の主人公に見えて仕方がない

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「おっと、こんな所にハンドガンが」 胸元から取り出したハンドガンを、アリエスとか呼ばれた糞ガキの顔面に撃ち込む。 脳天に穴が空いてんだが……。 「なんかした? おじさま」 ほほう、いい笑顔だね、素敵やん? 俺は取りあえず間合いをとるために、糞ガキの手を離して数m後ろに下がる。 さぁ、どうしたものかね。 とか思ってると後ろからものすごい風を斬る音。これまた横にさっと避ける。 地が砕ける轟音が鳴り響いた後に、辺りが軽く地震のように揺れる。 この秀吉みたいなガキ。優男と思いきや、こんなドラッグオンドラグーンに出てきそうな馬鹿デカイ鉄の塊を振り回せるとは。 しかし、一発叩き込んだ後の隙が致命的。 俺はそこを狙って攻撃をしかける。が、横から糞ガキ女が突っ込んでくる。 「カプちゃんはやらせないよ!?」 なるほど、スピードタイプがパワータイプのサポートね。なかなかいいね、素敵やん? しかしあのリブラとかいう女が絡んでこない。糞ガキのダガーを手で捌きながら、視線をそちらに向けると相変わらず棒立ちで空虚な目でこちらを見つめてる。 「よそ見してんじゃねぇよ!! ジジイ」 「だってよそ見してても余裕なんだもん、てへ☆」 とか言ったものの、防戦一方で余裕がない。 ……あれを使うか? 仕込んであるから使おうと思えばすぐ使える、だがあれはもう使わないって誓った……瑠璃華に。 すまない、瑠璃華。俺は早くあいつらの元に駆け付けてやりたい。だからお前との約束、初めて破る。
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