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俺は糞ガキ二人と軽く間合いを取った後、『そいつ』を取り出す。
「よう、二年ぶりだな」
ちょっと名の知れた名工が作った日本刀らしい。使う奴は不慮の事故やら病死やらでバンバン死んでいくといかいう村正的な呪われた刀。
刀身は鮮血のように紅く染まり、長さは一般的な日本刀より少し長い程度。名前はしらね。だから勝手につけてる。裏稼業をしていた時にとある所でゲットしたものなんだが、なかなか使い勝手がいい。だがそれ以上にこいつを使うのには訳があった。
俺はこいつに望んでいた。
─────俺を呪い殺してくれることを。
まぁ、中々俺のことは呪い殺してくれねぇからな。逆に気に入られちまったみたいだな。
俺はこの刀につけた名前を囁き、片手で構えた。
「二年振りの戦いだな……いくぞ! ルイズうわぁああああああああああああ!!……ルイズ! ルイズ! ルイズ! ルイズ! ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あああっあっー! あぁああああああ!!! ルイズルイズルイズ! ぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ! クンカクンカ(ry」
世界一長い刀の名前をつけてみたかったから、お気に入りのこれを採用した。いちいちだるいから専らルイズと呼んでるがな。
「ギャーギャ、うざいのよ。さっさと死ねば? 」
俺が刀の名前を呼び終える前に待ちきれなかった、アリエスちゃんが俺の後ろに周り込んできた。両手のダガーを今まさに俺の首元に突き刺さんと、大きく振りかぶっている。
「……死ぬのはてめぇだよ」
俺は腰を捻り、前から後ろまで円を描くようにルイズをふりぬいた。
顔に生温い鮮血がかかる。確実に肉と共に、臓器も切り裂いた。背骨までは届かなかったようだが。
「かっ……あっ……」
声にならない声をあげながらそいつは地面に伏した。そこに俺が止めを刺そうとすると、横からカプちゃんが飛んでくる。
「そんなおもちゃじゃ、俺は止められねぇよ」
俺は奴の巨大な鉄の塊を細切りにしてみせた。
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