私は世間一般から多くの支持を確立した者でございます

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「どけ!!」 「汚物」 俺たちは今、廃ビルのてっぺん目指して雑魚を切り捨てながら突っ走ってる。 ────その理由、レッドが敵にさらわれた。 そう、あの超鬼畜系サディスティック大量殺戮暴虐堕天使こと、立花零が敵におめおめと連れ去られたと言うのだ。誠もって信憑性に欠ける話。 しかし、ホワイトが顔面蒼白で俺たちに駆け寄ってきた、それを見た清涼飲料水たちが何故か一斉に退いていった所から考えると冗談で済む話じゃねぇ。 「ここにいるって言ったんだな、ホワイト!?」 俺が走りながら、再確認するとホワイトはどこかびくついたような、今にも泣きだしそうな声で返事をした。 「は、はい……確かにあのポニーテールの女はそう言って……」 あの鬼みたいな人をさらえるあの人の同性がいるなんてな……。 「立花さんが捕まるなんて……有り得ない」 「空前絶後」 ルビーとシルバーも走りながら、俺と同じことを考えていたようだ。中々失礼だな……俺ら。 廃ビルのもう少しで屋上という所まで来たか、急に雑魚がいなくなった。辺りがやたら静かになる。 ここにいる連中の緊張感がより一層強まる。何か不気味な予感がしていた。 そして、胸騒ぎがしていた。今まで感じたことがない程の最悪なやつを。 自然と走るペースが上がっていく。 とにかく早く行かないと何か取り返しのつかないことが起きるような、いい知れぬ不安が俺を襲っている。 最後の階段を駆け上がり、屋上への扉を蹴破る。 薄暗い夕闇が辺りを支配する空間。 そこにいたのは、敵の大将と黒フードの連中。多分全員いるだろうな。 そんな奴らはどうでもいいんだ。 問題なのはそいつらの前にいる二人だった。 屋上のフェンスにもたれ掛かっている、血だらけの隊長に。 明らかにそいつに銃口を向けて、殺意の眼差しを向けているもう一人。 微かな西日に照れされて浮かび上がっているそいつの横顔は、敵にさらわれたはずの……。 立花零、その人であった。
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