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「真実を知りたくはありませんか、ミス立花?」
突如、廃墟の物陰に隠れていた私と楓ちゃんの前に現れた黒装束の女はいきなりそんなことを言った。ポニーテールの黒髪の……とても冷たい目をしたその女。
二人ともほぼ同時で彼女に銃口を向けた。
「動かないで!! 殺すわよ!?」
二つの銃口が自分に向いているいというのに、彼女は眉一つ動かさない。冷たい視線をただこちらに向けている。薄気味悪い……。
「生死の選択権に関しては、残念ながらあなたは持ち合わせていませんよ、ミス立花。それを握っているのは私です」
彼女がこの言葉を告げた瞬間、私と楓ちゃんの握っていた拳銃が真っ二つに割れた。
「はっ!?」
「えっ?」
驚愕するあたし達を待たずに、その女は一瞬にして楓ちゃんの後ろに回り込み、その首元に鋭利なナイフを突き当てていた。目を離した一瞬で、なんでそんな一気に距離詰めてんのよ……。
こいつはあいつらの中でも別格だ……私はそんなことを思った。
「ミス立花、私に着いて来て下さい。でなければこの少女の首を裂きます。そしてその後、あなたの両手、両足をひきちぎった後に連れていきます。ついでに悲鳴をあげられないようにこの少女の臓物を口に詰め込んで差し上げましょうか? どちらがよろしいですか? 私としてはどちらでも構いませんが?」
背筋が凍りついた。
こんなに、押し潰されそうなプレッシャーを受けたことはなかった。悪魔なんて生易しい言葉じゃ、表現できない。恐らくこいつは口にしたことを以前に……。
「……ホワイトを離しなさい。私は抵抗しないから」
「ご理解感謝致します」
「た、立花さんダメっ!?」
ダメって……抵抗したら、楓ちゃんが殺されちゃうじゃない……。そんなのもっとダメよ。
私は楓ちゃんに向けて、精一杯の笑みを浮かべた。
「大丈夫よ、その内あの馬鹿が来るから」
───そしたら、私を助けに来てね。
口から出かけたその言葉は言わなかった。なんか悔しくて……。
そして私は黒装束の女に連れられて、あの廃ビルの屋上へと向かった。まるでワープ、いやワープね。そこへは瞬きをしている間着いてしまった。一体どんなマジックを使っているのかしら……。
そして私の目の前に現れたのは血まみれの隊長……。
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