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こんな日が来るのはわかってた。
全部俺のせいだ。
だがここで終わっちまうとはな……。
これも全部あの厨二病野郎のシナリオ通りだろうか?
ここで立花に、多少大袈裟に事実を突き付ける。
目の前には死にかけの俺。無論、俺はまともに反論できず、説明する余地もない。まぁ、説明する気はあんまりねぇが。
混乱している立花は、こんな俺に憤る。勿論冷静な判断力や洞察力なんて削ぎ取られてる。
そして引き金をひく、立花。
あいつの芝居がかった台詞回しはたいしたもんだ、妙な説得力がある。それに計算高くて、冷酷。だから敵にまわしたくなかったんだよなぁ……。
零、悪いな。
確かに希理人を殺してしまったのは俺だよ。
でもな……。
口が言葉にならない言葉を紡ごうとするが、ただ痛々しい呼吸の音がするだけ。
やっと言葉になったものは。
「……殺……せ」
たった三文字だった。
そうか、俺は心の底から待ってたのかこんな日を。
こいつに殺される日を。
「パパーーっっ!!!!」
瑠琉の絶叫が聞こえた。
わざわざ駆け付けてくれたみたいだが、もう間に合わない。
悪いな、後は任せたよ。
瑠琉、愛してた。
どうか願うならパパやママみたいにならないように……。
立花の指に力がこもる。
いよいよか……。
俺が覚悟して目をつむったその時だった。
「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」
「いいぜ、お前らがギャグカテでこんな寒いシリアスを続けるっていうんなら、まずはそのふざけたシリアスをぶち壊す!!」
そういや、一人忘れてたよ。シナリオ通りにいかない馬鹿を。
爆音と絶叫と共に現れたそいつは俺と立花の間に勢いよく着地した。
そして長門を立花に突き付けた。
「オンドゥルラギッタンディスカー!!ダディャナザーン!!」
やっぱあれだよ。
俺、お前のこと好きだ。
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