一応これ、最終章だけど第二部もやるからね、うん、だから大丈V

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夢を見ていた。 あの馬鹿ニートが私の手を掴んで、楽しそうにひたすらどこかへと走っていく、そんな夢。 私も楽しかった、こいつといると。普通に笑っていられた。 けど、私は途中で転んでしまう。 気がつくと、あいつは消えていて、変わりに希理人が横で淋しげな笑みを浮かべてる。 響き渡る爆音で目が覚めると、辺りには血の臭いと火薬の臭いが漂っていた。 「お目覚めですか、ミス立花」 横に長い黒髪を後ろに結った無表情な女、私をここに導いた女が立っていた。 「あなたの部下は非常に優秀ですね。あなたのために自分の命を代償にした」 女はそんなことを感情の篭っていない声で言った後、前の方を指差した。 一瞬頭が真っ白になった。 そこにいたのは、いつかの我をなくした馬鹿ニートの姿だった。おぞましく変化した長門を今まさに地面に伏している黒フードの顔面に突き刺す所だった。 夥しい返り血を浴びたその顔にいつもの表情はない、ただ狂気じみた笑いを浮かべてる。 「我々リベリオンの精鋭が2分とたたないうちに半壊。あの兵器……なんと凶悪なものであることか。しかし、使う方もただではすまないでしょうね」 あれを使ったら、馬鹿ニートは……。 「ミス立花、あなたを救うために彼は今死へと向かおうとしている。あなたのために」 あれを使ったら、正は…… 「死、精神崩壊、植物人間、……このままあの形態で私たちと戦えば彼は、この素晴らしい選択肢のどれかを必ず受け入れなければならないのですね。哀れな。あなたを見捨てれば逃げられたのに」 気づけば私は馬鹿ニートの元へと駆け出していた。 いまならまだ間に合う!! あいつを止められる!!
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