親友

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学校からの帰り道。 夕暮れ時。 お前と二人で歩くこの道も、あと少しで終わり。 「卒業したら、こうやって一緒に歩けなくなんのかなー。ここ」 高校生活も残すところあと2ヶ月。 2月からはほとんど自由登校だから、実質1ヶ月しかない。 それをなんとなく実感していたら、今までの思い出が頭の中を駆け抜けていった。 川沿いの土手を毎日のように二人で帰ってた。 毎日バカみたいに、くだらないことばっかりやって笑い合ってた。 謂わば青春ってヤツを、無意識のうちに謳歌してたんだと思う。 しみじみと考えていたら、思ってたことが口からこぼれていた。 そんな俺の独り言みたいな呟きに、恭介が同意した。 「そーだなー…」 横目で見れば、西日が恭介の横顔を照らしていた。 恭介の視線は、鱗雲がある空だった。 それに習って俺も空を見上げた。 「もう歩けないってなると、意外に寂しいモンだな」 俺の言葉が可笑しかったのか、恭介は小さく笑った。 「あんなに文句ばっかりだったくせに、なに言ってんだか」 視線だけを俺に向け、ちょっと呆れたように恭介が言った。 そんな恭介の態度に納得がいかず、声を少し大きくした。 「だって夏とか日陰になるとこなんかねぇーんだぞ!?文句の一つや二つ言いたくもなるっつーの!冬は風が冷たいし!」 俺が力説したら「馬鹿」って小さく言われた。相変わらず呆れたように、だけど優しく笑って。 そんな顔されて言われたら、俺はなにも言えなくなってしまう──…。
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