別離

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…そろそろ別れようかな。 この場面を目にしたら、そう思わずにはいられない。 こういう場面を見るのは初めてなわけではないけれど、やはり衝撃はデカイ。 「あ、壮太。来たんだ」 俺が帰ってきたのなんて、なんとも思ってなさそうな声が聞こえた。 女の上に乗りながらそう言った人物は、俺の恋人のはず。 今まさに女を押し倒したところだろうか、優一の手は女のスカートの中に入ろうとしている。 俺の恋人…だったような気がする男、中嶋優一に組み敷かれてる女は、俺を見た。 見たことない顔だな、なんて、意外と冷静に思った。 「優一、だぁれ?この人」 甘ったるい言い方だ。 気にくわない。…って、やっぱり冷静ではいられない自分が悔しい。 そんな基本的な質問をされた優一は、馬鹿正直に悩む。 「あー…うーん」 仕方ない、馬鹿だから。 ふう、と一つ溜め息を吐いてから、優一の代わりに俺が答えた。 「友達だよ」
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