サヨナラ

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もう解放してあげなくちゃ。 歪んでるから、俺。 このままだと、きっとお前、壊しちゃう。壊れちゃう。 【サヨナラ】 「ねぇ」 「ん?」 俺の足元で雑誌を読む頭が、ゆらゆら揺れた。 ソファーの下。 まるで小動物みたいだななんて思う。 「なぁ、」 「だから何ー?」 普段のクダラナイ掛け合いの会話だと思ってるだろ? ねぇ、俺を見てよ。 「別れて?」 「んー…………は?」 掛け合いの延長線。 極普通の流れで出た言葉に、ヤツは生返事をした後、凄い勢いで見上げた。 あ、やっと俺を見た。 「な……に言って………」 「だからぁ、別れよ?俺ら」 「なに……急に………」 「冷めたの」 信じられないと俺を見つめるヤツの目には、みるみる内に涙が溜って。 そうだよな。涙脆いもんなお前。 そして泣かすのはいつも、俺。 「やだ」 「別れて」 「や、だっ」 「やでも俺はもうオシマイ。じゃ、な」 「待………っ」 ごめん。 ごめん。 ごめんな。 早くこんな俺を忘れてください。 最低なヤツだったと、想い出にもしないでください。 愛していたよ。 愛してるよ今でもずっと。 だから離れて? 俺は歪んでるから。 だってこのままだとお前が息するのさえ奪いそうなんだ。 追い掛けて来れないように、全速力で走った。 ごめんな。 「バイバイ」 最期に見えたのは、満天の星空。 いつかお前も見てくれると良いな。 end ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 暗い暗い暗い暗い。 歪んだ愛情って怖いね そして何故かアタシは悲恋が好きだ(笑) ちなみにわかる人にはわかるRY(笑)
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