合鍵

4/4
前へ
/72ページ
次へ
つけっばなしのテレビもパソコンもほったらかして、俺は玄関のドアを開いた。           と、     「……どこ行くんだよ」   「…………なんで」   ドアの向こうには、蹲ったデかい影。 ヤンキー座りで、足元には煙草の吸い殻が何本も落ちてた。   「なんで」   「………………賭けてた」   「は?」   何処かふてくされた様に彼は言った。   「彼処まで言って駄目なら、本当に駄目だなって」   「…………ちょ、……それって」   「………ごめん。試した」   最近冷たいからとか、本当は俺の事なんてどうでもいいんじゃないかって。思って。     俺の目を見ないで、凄い速さで煙草を吸う。 あんたが気まずい時とか、恥ずかしい時の癖。     「馬鹿だ………あんた」   「あ゙ぁ?馬鹿はおめーの方…………ぅわっ」     とりあえず、ヤンキー座りの怖い人に抱きついてみた。     「………嘘だよ。終わりにしようなんて」   「うん」   「確かめたくて………」   「うん」       嗚呼、あんたまで今日は素直なんだね。       「返して?」   「うん?」   「鍵」             こんな可愛い人は他に居ません。 永遠なんて、俺だって信じてないけど、この人が側に居れば俺は幸せなんだと思います。 永遠なんていらないから、俺はこの人だけ居ればいい。     けど、俺を試した罪は重いよ? 今晩はお仕置きしちゃうけど、それはまた別のお話。 end ーーーーーーーーーーーーーーーーーー こうゆう不器用な駆け引きが好き。 この夜、きっと受ちゃんはお仕置きされるんだろうな(笑) 強気だけど実は弱い受けが好き。 ちなみにSR。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

489人が本棚に入れています
本棚に追加