artless days

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「おはよう直ちゃん!」 デカ乳女再来&再攻撃。痛え。なにで押さえつけられてるかも確認出来ねえ。まあ多分踵落としされてると予想はたてる。 「ああ、おはよう。 ていうか、そろそろ足上げないと幸助死ぬよ?」 「あっゴメンっ! 雨ちゃん!!」 やっぱ足かよ。 「いや、つか謝るヤツも違うってぇの……」 額が未だに痛え。煙出てんじゃねえのかマジで。後頭部と額にクレーター出来てそうだな。 「それは、あんたが……」 萩本が不満たっぷりにそこまで言ったところで教室のドアが開かれた。 教室中の視線がドアに集中した。気がする。 念のため顔を上げて、予想通りなクラス中の視線の先に俺の視線も合わせる。 そこにいたのは眼鏡を掛けた、赤茶色の髪を縛ったスーツ姿の先生。 クラス担任である オニヒラ サエコ 鬼平佐恵子。 整った顔立ちは大人の女性の雰囲気を漂わせるが、三十路前で彼氏無し。その理由は、サエちゃん自身の性格にある。 才色兼備で頭脳明晰、運動神経は高く、学校中のマドンナ(笑)となってるんだが。てか四字熟語便利だな。 ま、ホントはガサツな性格でやる事全てが大雑把。学校じゃあほとんどそれを見せないからサエちゃんを表す四字熟語は八方美人だ。いやホント便利。そんなサエちゃんの本性は我がクラスのみに発揮される。 そのくせ他クラスにはファンクラブまで出来る始末。和樹や萩本なんかもファンクラブがあるから困ったもんだ。誰が困る?俺です。
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