一大決心だったのに

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あたしがこいつ…うぅん名前出すのはヤだから仮に、Sくんとしよう。んでもってSくんと初めてあったのは昼休みの体育館、ちなみに中学校の、ときだ。印象はあんまりいいものじゃなかった、だって最初に感じたのは「うわ、キモ」だったから。あと「無愛想」だったかな。クラスも違ったこともあって、あんまり笑うところを見なかったから。 でも、心のどっかでは格好いいって思ってる自分が居た、んだと思う。 …何だかあたしの友達には不評だったんだけど、ね。まあそこは人それぞれって感じだからしょうがないんだけど。 家まで押し掛けたりするのは、初めてじゃなかった。前にも何度か無理矢理押し掛けた事が多数あったんだ。最初は躊躇う事が多かったけどあとになればもうなれてしまって、いたようだ…うん、無意識のうちに。 玄関で立ちつくすあたしと、半開きの扉から顔を出しただけのSくん。 もうこれから先の行動、どうすればいいのか頭が兎に角パニクってゴチャゴチャして無言の空気が数分間、ああ、ヤだなあこの空気! 手のひらにじわりじわりと汗が滲み、酷く気持ち悪かった。  
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