始めに

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魂と、真宮寺さくらは幼馴染みである。 仙台の出身の二人は、よく剣道の練習をしていたと言う。 特別、道場には通わずさくらの父真宮寺一馬大佐が練習相手になってくれた。 真宮寺大佐が戦争で亡くなったと聞いた時、さくらは魂と一緒に泣いた。 練習相手が、戦死したなんて信じられなかったからだ。 そして、さくらは単身で帝国華撃団に入隊する。 魂は、真宮寺一馬大佐と一緒に戦っていた仲間でも有る米田元長官の勧めで入隊した。 魂とさくらが入隊した最初は、戸惑いが生じていた。 客席から見る限り、魔と戦うはずの帝国華撃団は幻なのかと思ったからだ。 支配人室に向かう魂。 魂「(ノック音)大神支配人、いらっしゃいますでしょうか?」 大神「鍵は開いているよ」 魂「はっ、失礼します」 魂は、中に入った。 さすがは、米田長官が指名した人物だ。 凛々しい姿だ。 魂「本日、着任いたしました魂です(敬礼しながら)。宜しく御願い致します」 大神「帝国華撃団総司令兼支配人の大神一郎だ。魂君宜しく」 互いに挨拶をした。 席に座る二人。 大神「米田さんから、話は聞いているよ。剣の達人なんだってね」 魂「達人だなんて、大袈裟ですよ」 大神「俺も、一応剣の使い手でも有るんだよ」 魂「本当ですか!?凄いですね」 大神「魂君と同じく、剣道をやっていたからね」 魂「そうだったんですか。ところで、俺はここで何をすれば良いのですか?」 大神「魂君は、花組の皆と舞台に出て貰うよ」 魂「…俺がですか?」 大神「うん、俳優の素質が有るみたいだからね」 魂「はぁ。」 大神「でも、たまにモギリもやらないといけないから。舞台の出番が無かったらだけどね」 魂「やるだけやってみます!!」 大神「その意気その意気。あっ隊員は、呼び捨てで良いから」 魂「どうしてですか?」 大神「舞台では、上司と呼ばれるのは居ないからね。剣の修行の場合先生が居るじゃないか」 魂「成程」 大神「今日は、もう練習は終わったから部屋に案内するよ」 魂「御願いします」 魂は、大神の案内で自室を案内された。 そこは、かつて大神が使っていた部屋を改装した所だった。 大神「荷物は、ここだから。鍵は各自で持つように」 魂「ホテルみたいですね」 大神「今日は、ゆっくり寝た方が良いよ。明日は朝稽古が有るみたいだから」 魂「はい」 大神が出て行き魂は、横になった。
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