始めに

4/6
62人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
翌朝、魂は目が覚めた。 仙台に居た時の癖で、まだ日が昇っていない内に目が覚めてしまったようだ。 中庭に出て、魂は日課でも有る愛用の刀で素振りをする。 すると、物音が聞こえた。 さくらだ。 さくら:やっぱり素振りしていたのね、魂君。 魂:お早う、さくら。 少しでも師匠に近付きたくてな。 さくら:師匠って、お父様の事? 魂:ああ。 さくら:もっと、練習しましょうか? 魂:久し振りに、さくらと練習するな。 さくら:そうですね、はい竹刀。 竹刀を渡され構える二人。 やはり、腕は落ちていないようだ。 練習を終え、食堂へ向かう。 カンナが朝御飯を食べていた。 カンナ:おっ、早いねお二人さん。 さくら:お早うございます、カンナさん。 魂:お早う、カンナ。 凄い食事の量だな。 カンナの回りは、食べ物で一杯になっていた。 カンナ:今日、舞台練習だろ? そのためには、よく食べないとな。 魂:成程、カンナらしいな。 魂も、食事を取る事にした。 二人に続いて、大神支配人や藤枝副支配人、マリア・タチバナ、李紅蘭、アイリス、レニ・ミルヒシュトラーセ、神崎すみれ、ソレッタ・織姫が来た。 織姫は、寝癖が付いたまんまだ。 マリア:魂隊長、昨日は挨拶出来ず済みません。 今日は、舞台稽古をやります。 かつて、私がやっていた舞台の続編をやろうかと考えています。 魂に台本を回すマリア。 魂のセリフが多かった。 朝食を終え、花組の一同は舞台の楽屋に向かった。 本番を一ヶ月後に控え皆は、練習をしている。 初舞台の魂は、マリアから特別に台本を読みながらセリフを言うのを許可された。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!