*偽物が解けて変ずまで*

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*偽物が解けて変ずまで*

2021/07/04 あれから一滴の涙も出ないのは 悲しみからでもなく怒りからでもなく 泣き疲れたからでも泣き枯れたわけでもなく ただ安堵しているから 君は終ぞ僕の望むようには僕を愛してくれなかった いつも獣や物のよう だのに大きく揺れる君はいつも醜かった 僕は君に僕を大切にさせようと踠いてた 君は大切にするために箱に入れようともがいてた そんな滑稽なことなんてないのに なのに 何を知っても もう僕は君を許している どれだけ傷をつけられても 僕は君をまた愛してしまう 何されても君が好きだ 今もおかしなくらい君が好きだ こうなる事を望んで手を動かしたはずなのに だけど そんな自分は大嫌い 一つきりの一番じゃないと絶対に嫌 君は君のものだけど どうして脇目も振らずに愛してあげないのかわからない 本当はいつからなんて今どうでもいいよ だけど 君に夢を見せられなかったこと 君が求めた役を演じてあげられなかったこと 君の見せる夢の中にいられなかったこと 僕のせい ふらふらと揺れる君 全て正直者の嘘吐きの君のせい 君の弱さを愛してしまっている 君は絶対に寂しさから逃げられない それを変えてあげたかった 僕は君を傷つけるのがたまらなく怖くて 君はそれを知っていたよね それで僕を縛りつけた だけどそれはもう終わり 好きを伝えるのはこれきり だけどそれでもまだ僕の人生には君が必要だと選択し続ける この愛がしっかりとみんなに溶けて祝福されるまで 会わないよ だからあえて あの日を裏切りとしよう 寂しさに溺れてろ 顔なんて見たくないって思う日だってたくさんあった 今は会って引っ叩いてやりたい だけど関係のない愛の邪魔なんてしたりしないから それでも君が喉から手が出るほど欲しい僕のさよならなんてあげない また必ず僕の正しさを通してから会いに行く 君が見ていなくても 僕の生き様を僕は見せ続けるから 勝手に怯えてろ それでも 全部が嘘じゃないのなんて感じてて 背中に透けた思いを生涯信じていく めちゃくちゃな僕を愛そうとしてくれて 好きになってくれてありがとう 許そうが許さなかろうが 打ち寄せる波に負けて 僕は君を憎みました だから僕はもっと自分に誇れる 僕になる 本当の声をみる前に記してごめん 誰よりも君が選ぶ言葉の意味を信じてるから 君の正しさを僕だけは認めるわけにいかないから 君が必ずみんなの所に帰ってくるって信じてる これからまた失敗ばかりだったとしても 必ず人間に生まれ変わって みんなに愛されてみせる 約束は守るよ ただ永く ただ君の行先に 幸多き事を
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