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商店街を離れて人通りも少ない道を、【例の公園】目指しトボトボ歩いてる私。
さっきよりも舞っている雪の粒がおっきくなり、街灯の明かりに照らされて光る様はまるで宝石のようだった。
…ふぅ~、こんなロマンチックな光景をアイツと2人で歩けたら素敵なのになぁ…。
そんな事を考えて立ち止まり、夜空を見上げる私の耳にあまり聞きたくない声が聞こえてくる。
「………だぜ!」
「…ばかっ!……声がでかいっつうの!!」
明らかにターゲットロックオンされてるような、犯罪色が非常に濃い会話。
…ちょっ、マジすか?
…この一本道にいるのは、私だけ?
…あわわわわわわわわわ!!
…ど、ど、どうしよう…。
…と、とりあえず携帯を!?
助けを呼ぶために携帯電話が入ってるバックに手を突っ込もうとするが…!
…ない…。
…あぅぅ、バックは亮子のお寺に置きっぱだよぅ…。
…ま、まままままままずすぎだよぅ!
…相手が悪霊さんとか鬼ならいざ知らず、人間さん相手じゃ適いっこない!
電信柱の下で硬直寸前の私の耳に複数の足音がかなりの勢いで近づいてくる!
…ダメだ!
…逃げるが勝ちだ!!
覚悟を決めた私は、一目散に逃げ始める。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…!!」
私にしてはかなりの速度で走っているのだが…。
「ぬわっ!!」
馴れないヒールをはいているせいか見事にすっころんでしまう。
転倒場所は公園内。
しかもあの女死神さん(ラクスさん。)と死闘を演じた所で囲まれてしまった。
「お前、バカだろ。この公園は夜になると誰も近づかないんだよ。知らなかったのか?!」
あまり息を切らせてないお兄さん達の中の金髪でロン毛のおウマさんみたいな人がおっきな声で詰め寄ってくる。
…あぅぅ、それは【蒼炎】さん達がナワバリにしてたからだよぅ!!
何も知らないのはお前だーっ!的な感じで、私はお兄さん達を睨みつつお尻をペタンと地面に付けたまま後ずさりする。
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