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それは、私が一番大切に想う素敵なアイツから感じた温もり。
今日、何度となく感じてこの緊急事態を引き起こした困った温もり。
だけど、その温もりこそが私の心の中で一番の輝きと勇気をくれる起爆剤なのだ!
起爆剤を右手につかんだことで、さっきまでの震えはうそのように消え去り、私の心の中にフツフツと勇気が湧いてくる!
…って!何考えてんだ、私!!
…アイツのためにも、そんな事は断固阻止だっ!!
…最後まで絶対に抵抗してヤるっ!!
覚悟を決めた私は息を短く吐いてから、素早く足元に落ちていた【棒ッキレ】を拾い上げると、まるで【真紅の大剣】のように腰だめに構えてキッと睨みつける!
その姿を見た瞬間、お兄さん達の足が私の2メートル手前でピタッと止まる。
そして、おウマのお兄さんの方がこめかみをヒクヒク言わせながら怒声を上げだした。
「おいっ、てめぇ、いい度胸じゃねぇか!!2対1って分かって…」
「うっさぁぁいっ!!こんな素敵な夜に、しかもアイツとの大切な思い出のある場所で、私みたいな可愛い女の子(?)襲う奴らに何にも言われたくなんかないよっ!」
言葉を遮って宣戦布告をババーンと言い放つ私は、まるでラクスさんと戦っていた時のように集中力を高めていく。
…今ので間違いなくおウマの兄さんだけ仕掛けてくる!
…後は、自分を信じて戦うだけだ!
いつでも迎え撃てるように、両足を大胆に広げ(いつものように短いスカートなんで…。)腰を低くした私は、相手の見た目に騙されないように瞳を閉じた。
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