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そんなある日、妹から✉があり、緊急事態との事。ニャンキーが片目を腫らして涙を流しているらしい。その日はうまい具合に時間の都合がつき、急いで実家へ向かった。
この当時、すでにニャンキーは家族の車や母の自転車の音を聞き分け、出迎えてくれていたのだが、案の定私が車を停めて下りるとニャンキーが座って出迎えてくれていた。
「ニャンキー⁉」
変わり果てたニャンキーの姿に絶句した。それまで自分から近寄っても、手を差し出すと妹以外の人間には絶対触らせず逃げていたニャンキーが初めて私にも触らせてくれた。それどころか撫でさせてくれて、私もニャンキーもしばらくまったりとした時間を過ごす事が出来た。
妹に事情を聞くと、最近エサと縁の下を狙って大きなドラネコ(♂)が現れて、ニャンキーとよく喧嘩をしていて、今回もそのオス猫の仕業らしい。しかも喧嘩の最中、ドンは黙って見守りその後はオス猫についていってしまうそうだ。オス猫とドンは同じ毛色で、親子なのだと言う。
どんな理由であれ、♂が♀を傷付ける事は許さない。ドンにも裏切られた気がして腹が立った。せめて私が戻った時くらいは安心して食事出来るよう見張ってやろうと誓うのだった
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