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(もう一度、彼に会いたい)
心から、そう思った。
会ってどうするかまでは考えていないが。
「どうして僕はアンドロイドなんかに生まれてきたんだろう……。心が欲しい……人間に、なりたいよ……」
それはいくら願っても叶わないことを、彼自身が一番知っている。
どれだけ悲しくても、その鋼の身体からは『涙』というものは流れない。
「人間の一時的な感情の高ぶりが、涙を出させるんだ」
『博士』は、彼らにそう教えていた。
(だけど、僕は……)
考えて、彼はかぶりを振る。
そして決心する。
(もう一度あの子に会って、見つけ出そう。僕が『本当の感情』を手に入れる方法を……)
少年とぶつかった日、この日を、彼は後に『運命』と呼ぶ――。
to be continued...
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