act.3

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  「うちに最新型のアンドロイドを入れようと思うんだが」 夕飯の途中、突然そんなことを言われたら誰だって手を止めるだろう。 彼、ユウキ=ディラックも例外ではなかった。 「いきなり何、父さん」 突然の言葉に、ユウキは怪しげに目の前に座る父を見る。 「いきなりじゃないさ。ずっと思ってたんだ、うちにアンドロイドがいればいいなぁって。ちょうど会社からいい話が来たんだよ」 「最新型なんて、そんな余裕うちにあるの?」 いくら近年アンドロイドが普及したからと言って、最新型ともなれば容易に手が出せる額ではない。 「大丈夫よ」 嬉しそうな父に再び怪訝に言葉を投げかけると、キッチンから出てきた母が弾んだ声で言う。 「うちだってそこまで裕福ってわけでもないけど、それなりにはあるから」 そう言って母は、嬉しそうに席につく。 「……まぁ、父さんと母さんが必要だって言うなら別に構わないけど」 ユウキは箸を置いて立ち上がる。 「けど俺は、アンドロイドなんて要らない」 冷めた目でそう言って、リビングを出て行った。 ********* 「……あの子、いつからあんなに冷めた子になっちゃったのかしら……」 「僕らがほったらかしにしすぎたのかもなぁ……」 二人は心配そうに、息子が出て行ったドアを見た。 「昔から手のかからない子だったからなぁ……ユウキは」  
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