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彼らの 遊び場は、農協公園であった。ブランコ すべり台 鉄棒 シーソーがある ごく普通の公園だったが、必ず誰かが遊んでいたから一種の、たまり場になっていた。 その日は、缶けりをして遊んでいたけど 四つ年上のガキ大将に清は、声をかけられた。「おい、お菓子買ってこい。清」 「おい、 金なんて持っとらんよ。」 当たり前の答えだ。九州北部地方の方言である。 清は、お小遣いなんて貰ってないからだ。ガキ大将は、清を見てニヤリとしてから、言い放った。 「なんや、つまらん奴やなぁ。 付いて来い。」 ガキ大将は、公園の真向かいにあるスーパーへと歩いて行く。 清が、どうしていいか分からずに、立っていると「なんしよっとか、 はよ、来んか。」言われるままに清が付いて行くと 「よかか。よぅ 見とけよ。」 そう言い放ったかと思うと、お菓子のコーナーへ向かい箱入りのクッキーを二箱、手にするとシャツの中に素早く隠し、裏口から出て行った。
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