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その日は日曜日、午後6時に待ち合わせていた、
けっこう時間にルーズなほうだ、今日も時間ギリギリに家をでる、
この季節、日はまだ長くいつもならまだ明るい、
しかしその日はどんよりとした曇り空、家をでてから5分程でポツポツ雨が降り出し1分もかからないうちに雨足は強くなった。
傘などもっているはずもなく全身ずぶねれ、視界が自然と狭くなる、
しかし時間も時間、雨宿りなどしている暇は当然なく、ただ雨に濡れながら急ぐしかなかった。
大きな交差点にさしかかった、信号は赤…
右左を確認し自転車は速度を落とすことはしなかった、
視界が悪かったせいでもあり、急いでいたせいでもあるだろう、1台の車を見落とした。
運転手も信号が青ということもあり、ブレーキはかけない。
交差点を渡りきる手前で自転車と自動車が接触…
ブレーキを踏むが遅い、彼の体は歩道の方に投げ出されガードレールに全身をうちつけるかたちになった。
雨の強い音の中でなにかそこだけ時間が止まったような、そんな静寂があった。
しばらくするとその静寂は救急車の音と野次馬の声によって失われた…
「俺は死んだのか…?」
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