事故

3/3
前へ
/17ページ
次へ
救急車が到着し、救急隊員がぼくを運んでいた、なにやら慌ただしくけっこうひどい事故だったんだと思う、それは野次馬の悲痛な顔からもうかがえた。 この間僕は何かこの世で起こりえないことが起こったと思った。 救急車が到着し自分の身体を担ぎ込む、その一連の動作を僕はみていたのだ、動かない自分の身体をも…   だが周りの人にはどうやら今の自分は見えていないらしい、最初は事故にあったのは自分ではないような気さえしていた。 だが後輪がペシャンコになった自転車、担ぎ込まれた人の服装…すぐに自分だとわかった。 「僕は死んでしまった、幽霊ってやつになってしまった」と思った。 午後6時5分すぎのことである、 不思議と悲しみはなく、ただ彼女が怒ってやしないか、と思い、 僕はおもむろに歩き始めた、待ち合わせの場所へ…
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加