亜理子と少年

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少年のふてぶてしい程澄んだ真っ直ぐな視線。 軽くムカつき亜理子は思わずトゲトゲしく言葉を出した。 亜理子「誰?」 少年の形の良い薔薇色の唇から柔らかい声が漏れる。 時計うさぎ「繰綺 亜理子(クルキ アリス)さんですよね。待っていました。」(柔らかく) 少年は、銀の鎖付きの懐中時計をみながら、にっこりと微笑む。 時計うさぎ「ふふ・・。時間通りです。行きましょう。」(にこやかに) 人形の様に、整った笑顔と陶器のように冷たい手に、魅せられて亜理子な足は、少年の後に続く。 亜理子「あなたは誰?何で私の名前を?」 その問いに、笑顔でしか答えない少年の不思議な雰囲気に飲まれてしまう。 なんなんだろう。 両手の荷物は、重いはずなのに。 むくんで重たいはずの足はどんどんすすんでしまう。 きがつくと、見慣れない場所。 周りは、両側にずらりと並ぶ扉。 見渡す限り。似たようなドア。
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